【朝日新聞 元気力】2025/10/28 世界の佐香神社へ醸す夢

今月13日、「佐香神社ウォーク」を開催した。

酒造り発祥の地と伝わる佐香神社の例大祭に松江から歩いて行くイベントで、今年で7回目だ。

出雲市(旧平田市)の小境町にある神社まで、集合場所の松江しんじ湖温泉駅(一畑電車)から約17キロ。

一歩一歩思いを込めながら、みんなで楽しく歩く。

途中エイドステーションを3カ所用意。

朝ご飯を食べたり、お茶をしたり、お弁当を食べたりしながらの道中なので、気が付いたら完歩しているという感じだ。

7年連続で参加されている方も。

お天気にも恵まれ、今年も充実したイベントになった。

記念の10回目には盛大なイベントにしたいね、とみんなで夢を共有した。

佐香神社はお酒の神様だ。

居酒屋を経営し、お酒を生業とする私にとって大切な神社だ。

2011年4月1日から始めた毎月の一日参りは今も続け、14年が経った。

21年には願いを込めて100日連続参りも実行した。

宮司は常松宏祥(ひろ・よし)さん(55)。

20年ほど前から神職としてご奉仕され、禰宜(ね・ぎ)を経て今月1日に宮司を拝命された。

私が唎酒(きき・ざけ)師の資格を取った27年くらい前からの付き合いで、年が近く、心やすいこともあっていろんな話をする。

話の中心はもちろんお酒だ。

例大祭で振る舞われるどぶろくは、今年は低温管理を実行したので、より飲みやすい酒になった……。

どぶろくを醸すのは千年続いていると言われているが、千年前はどんな酒だったのだろうか……。

この地域には多くの杜氏(とう・じ)OBがお住まいだが、みんな名杜氏と呼ばれていた……。

酒だけに話が尽きない。

「伝統的酒造り」が昨年、ユネスコの無形文化遺産に登録された。

世界的に有名なローマ神話の酒の神「バッカス」のように、日本の佐香神社も世界の佐香神社になっていくべきだ。

新しい宮司はエネルギッシュに約10年後の遷宮もイメージしている。

「世界の平和と五穀豊穣(ほう・じょう)、そして皆様の健康をお祈りする」とおっしゃる宮司と佐香神社に、今までにも増して大切に関わっていきたい。

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